エベネゼルの活動に参加した日本人(1)

単立・ハーベスト・チャーチ(宮崎市、高木秀和牧師)教会員:日置 恵

イスラエル聖書大学(ICB)日本窓口ニュースレターNo2から抜粋編集

今回、ICBはエベネゼルを通じてオデッサーハイファ間のユダヤ人の帰還を手助けする事になりました。その為に奉仕に参加する8人は、毎週イスラエルダンスとロシア語の特訓をして準備しました。

今回の船旅は往復約1週間でしたが、非常に貴重な体験でした。船の設備は非常に素晴らしく、プールやジャグジーもあります。

今回帰還するオリーム(帰還者達)の数はおよそ150人です。オデッサ港での奉仕は荷物の積載作業から始まりました。エレベーターに積まれた荷物はボランティア達の手により次々とオリームの部屋に運ばれていきます。

また乗り込んだオリームを部屋やレストランなどに案内し、彼らの必要を満たしていきました。彼らとは基本的にはロシア語で話すのですが、学んだ言葉に限りがあるので身振り手振りで何とかコンタクトを取りました。

船上でイスラエルの有名な聖書の歌とダンスを披露しました。日本でも有名な「マイム・マイム」も実はイスラエルの歌です。旧約聖書を読み、神様がユダヤ人を愛しておられる事、これからの新しい生活が祝福されるようにと励

ましのメッセージを伝えました。彼らは感動をもって聞いていました。

 

聖書をモチーフとした子供向けプログラムは非常に感銘を覚えました。スタッフの方々は子供達に「出エジプト記」の出来事を衣装を着させて一緒に再現したり、楽しい塗り絵を通して聖書に親しむ時間を育んでいました。そんな中で突如私が子供達に折り紙を教える事になりました。

今回折り紙を用意したのは、3年前エベネゼルのボランティアだった日本の女性が、子供のプログラムの中で折り紙を教えていた事を聞いていたからでした。折り紙を折るのは子供の時以来だったので何度も練習しました。ロシア語通訳の方の助けにより帆掛け舟やかぶと、そして日本の伝統とも言える折鶴を一緒に作りました。とりわけ鶴


イスラエルダンスを踊る日置恵さん

 

は羽ばたくタイプのものだったので子供達はとても楽しそうでした。

個人的な事ですが、実はこの船上で私は誕生日を迎えました。エベネゼルのスタッフリーダーは「エベネゼル・ショー」が終わった直後、突然目の前に大きなケーキを持ってきて下さり、エベネゼルスタッフ、そして何とオリームの皆さんも一緒に私の為に誕生日の歌を大合唱して下さったのです!本当に言葉では伝えられないほど光栄で、素晴らしい時でした。

私がイスラエルに来た一番の目的はユダヤ人に仕える事です。私はショーの中での聖書朗読でイザヤ書60章4、8、9節から語りました。でも本当は10節を語りたいと思っていました。そこには「外国人も城壁を立て直す。」と書かれています。私がここにいるのは、この聖書の言葉の成就であり本当に感動する出来事です。

ナスティアという12歳の少女は本当にかわいくてかしこく、たどたどしいながらも英語が話せました。ずっと旅の中で私達を慕ってくれて、他の子供達の面倒も見ていました。これから家族とエルサレムに住むという彼女は、きっと困難な時を過ごすでしょう。そんな時に「あなたとあなたの家族は選ばれた人である」という事を忘れないで欲しいと思いました。彼女と一緒に

写真を撮り、写真にメッセージを書いて渡すと彼女は喜びました。私達は最後に抱き合いキスをして別れました。


ナスティアと別れを惜しむ時

 

最終日の朝、私達はついにイスラエルのハイファ港に到着しました。

長いようで短い旅でした。船から降りると彼らの家族が待っており、どのオリームも互いに固く抱き合い、本当に幸せそうでした。

長い歴史を通して各地に離散せざるを得なかったユダヤ人が、約束の地に到着するというその歴史的瞬間はまるでドキュメンタリー映画のようで、心から感動しました。

今回の船旅は往復約1週間でしたが非常に貴重な体験となりました。

この旅を通して多くの事を学ばされました。私はオリームに仕える為にこの旅を志願しましたが、実際には彼らからたくさんの喜びをもらったのです。

 

ICBでは、実践教育の一環としてエベネゼルミニストリーをサポートしています。イスラエル聖書大学日本語ホームページhttp://www.zion-jpn.or.jp/icob/

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