2003年10月5日、オデッサ港を174人のオリーム(帰還者達)を乗せたエベネゼルの船がハイファ港に向かいました。

この渡航はEEFにとって忘れられない記念すべき大きな時となりました。それはEEFが1991年にオリームの移送を始めて以来10万人を達成する渡航となったからです。

この渡航は単に10万人を記録した事以上に大きな意味がありました。それはこの渡航で迎えた10月6日は、ユダヤ歴の新年にあたりヨム・キプール(Yom Kippur)と呼ばれる大贖罪の日だったからです。

この日はユダヤ教の習慣で過去一年間の自分の罪を反省し、断食をして罪の赦しを神に求める時です。この日ばかりはユダヤ教の熱心な信者だけではなく世俗派の人でも祈りと悔い改めと断食をもって過ごすと言われており、一年でもっとも厳粛な日なのです。

この祭りはレビ記16章に書かれている事柄に基づいていますが、ここで語られている罪とは本来、個人的な罪ではなく、大祭司が年に一度聖所に入ってあがなう民族全体としての罪です。したがってエゼキエル36章に語られている「きよめ」や「新しい心」といった救いに関連した言葉は単なるユダヤ人一個人についてだけではなく「民族全体の救い」を意味していることが分かります。

この民族全体の救いは神の計画の中で大きな位置を占めています。EEFもそうですが、今までの宣教の概念と異なったクリスチャンシオニズムと 

呼ばれる団体を現在多くのクリスチャンが支援しているのはまさにその民族的救いの土壌を耕す為なのです。

そして、民族的救いを達成する為の必要条件が民の帰還なのです。

この働きには抵抗が大きく、準備を含めてこの20年もの間、幾度も困難な場面を通ってきました。

特別な時に10万人を達成した事は、EEFの働きを支えている御言葉の一つであるエゼキエル36章24節を再確認する時となりました。この御言葉には民の帰還と民のきよめ(救い)の関連性について言及しています。

それによって、この働きを天の父ご自身が承認されていることをあらためて表してくださったのです。

エべネゼルの意味は「助ける石」(ここまで主が私たちを助けてくださった。1サムエル記7章12節)です。ここまでEEFを支えてくださった一人一人の皆さんに心から感謝の言葉を申し上げます。

本当にありがとうございます。

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